リトライ。
それから3週間。
試合は毎週行われ、男バスも女バスも順調に勝ち進んでいた。
もう強豪校ばかりが残っている。
トーナメントを勝ち進むにつれて、勝つのも容易ではなくなってきた。
それでも、みんな同じ場所を目指して前を向いている。
今日の、女バスの試合は午前1番に終わった。
なんとかコマを進めた私たちは、ここから二駅先の駅で行われている男子の試合の応援にいった。
「陽介、シュート!」
陽介の実力は相変わらずズバ抜けていて、
誰もが目を奪われるプレーの連続だった。
わあっと湧き上がる歓声も次第に大きくなっていく。
すごい……っ。
陽介の存在の大きさをそこで思い知った。
けっきょく、男子の試合は危なげなく勝ち上がた。
「やっぱり男バスは強いね」
「今年は陽介くんもいるし、優勝狙えるかも」
やっぱり陽介、色んな人に期待されてる。
そのプレッシャーはすごいんだろうな。
周りの言葉を聞きながら陽介を見つめる。
みんな試合に勝ち上がって嬉しそうな顔してるのに、
ベンチに向かって礼をした陽介の顔は険しかった。
どうしたんだろう。
不安になってベンチから立ち上がるとすぐに陽介のところに向かう。