リトライ。
「なんで……」
私は周りの言葉も耳に入らず、ずっと陽介を見つめていた。
ピーー!
「白4番ファール」
陽介のディフェンスファール。
足が出るのが一歩遅くファールになってしまっている。
いつもの陽介らしくない。
相手の動きを先読みし、ガードする陽介が遅れるなんて……。
「ディーフェンス!ディーフェンス!」
それからも、
何度かこっちのチームが点を取ることはあったが、劣勢の流れを変えることは出来なかった。
向こうも確実にシュートを決めてきていているため、点差がうまることは無い。
「ああ、陽介くん惜しい……」
陽介もシュートを放つけど、いつもとは違う。
打っているというよりは打たされているシュートで身体の軸が動いてしまっていた。