リトライ。
深く、暗い場所にまるで自分がひとりぼっちかのような気持ちになるんだ。
そこから這い上がってくるには相当の気持ちがいる。
私はあの時、這い上がることが出来なかった。
陽介の顔が暗く沈み、
悔しそうというよりは落ち込んでいるように見えた。
「わああああ」
歓声が相手チームを包み、盛り上がる一方で、
こっちのチームのベンチは静まりかえってしまった。
チームの士気が下がっている。
誰か見てもそれは明確だった。
陽介は今、何を考えている?
けっきょく与えられたフリースローをしっかりと決めた相手の得点で
第2ピリオドを終えた。