リトライ。





いくらでも応援するから。

声がかれたって、出なくなったって応援するから。


だからお願い、下を向かないで。


このままだったら絶対に後悔する。


ずっと過去を思い出して、いつまでも捉われてしまう。


陽介……あなたは強い人でしょう?


こんなところで、弱気にならないで。


この思いが通じたかどうかは分からない。


うつむいていた陽介が顔をあげ、チームのプレーを真剣に見始めた。


祈るように手を握る。



そして第3ピリオドが終了。

2分の休憩を挟み、そのまま第4ピリオドに差し掛かる。


【82-42】


点差はもうかなり離れていた。


陽介……それでも私は信じてるよ。

陽介が前を見てくれるって。


いつも私の前にいて、お手本みたいな格好していてくれた。


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