リトライ。


やっぱりカッコイイよ……。


追いつけないことを嘆いたいたけれど、目の前に彼がいてくれる安心感は確かにあった。



「陽介行けー!!」


それからマイボールになり、陽介にボールが渡る。

陽介は3Pラインからシュート体勢に入った。


打てるか打てないかギリギリのディフェンスだったけど、彼にはそんなこと関係ない。


このくらいの距離が開いていれば平気で打ってしまう。


陽介がシュートを放つ。


もっとすごいのは、ディフェンスにつかれた3Pシュートでも……。


ーースパッ。


入ってしまうんだ。


「わああああああ」


観客がより一層盛り上がる。

流れは完全に私たちのチームにあった。


シュートを決めて戻ってくる彼の笑顔。

いつもの陽介だ。

バスケが好きで好きで仕方ない陽介だ。

それを見て思わず泣きそうになった。





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