リトライ。
自分との誓いとチームの誓い。
そして陽介との約束を背負い、手を握りしめる。
「負けないよ、私」
私は試合が終わった後、
もう一度、陽介に連絡をした。
【陽介。
女バスは決勝まで勝ち上がったよ
明日やるのがこれで本当に最後の試合。
美里体育館でやることになっているから陽介にも見に来て欲しい。
私の答え、きっと分かると思うから】
たくさん文章を考えていたけど、送ることが出来たのはこれだけだった。
答えは全部、明日の私を見てもらえれば分かるはずだ。
泣いたり、悔しい思いをした6年間。
だけど悲しいばっかりじゃなかった。
自分の大切な気持ちに気づくことが出来たんだ。
お願い、陽介。
見に来て……。
もし試合に出られなかったとしても、私はもう泣いたりしない。
覚悟を決めた私は、願うように携帯を握りしめ私は眠りについた。