リトライ。



翌日。


「すごい……」


今までと比べ物にならないほど大きな会場で私たちはアップをしていた。


決勝の会場は広く、席がたくさん設けられている。

中に入るにはチケットを買う必要がある。

それでも見渡す限り人で溢れていた。


「こんなにいっぱいいると緊張するね」



まはるちゃんが言う。



「本当だね」



私達の試合をここにいる人みんなが見るんだ。


そう思うだけで手に力が入る。

陽介は来てくれるかな。


送ったメッセージは返って来なかった。


だけど、信じてるよ。

見に来てくれるって。


少しの不安を抱えながらも、シュートを放つと、

ガシャンとネット揺らしてゴールに吸い込まれていった。


大丈夫、きっと上手くいく。


その時。


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