リトライ。
いよいよ、運動部の番だ。
なんでか少し緊張してきた。
バレー部はトスをしたり、アタックをしてみせたり、見る人がわーっと声をあげるような演出があった。
「はい、バレー部のみなさんありがとうございました」
司会の人がそう言うと、次の部活が準備に入る。
「次はバスケ部の紹介です」
ーードクン。
胸が大きく波を打った。
ユニホームを着た選手たちがボールを持って入ってくる。
「気をつけ、礼」
「お願いします!」
その光景がまるでに自分が参加しているかのような気持ちになって、落ちつかない。
思い出す。
ーードキ、ドキ。
自分もそうやってコートに立っていたこと。
ーードキン、ドキン。
そして悔し涙を流したこと。
もう関係ないんだ。
そう思っているのにバスケットボールを持ち、シュートを打っている人の姿を見ると、私の足の指先はぴくり、と動く。