リトライ。



でも。


意地でも届けたいと放ったシュートはゴールの中に入っていった。


「うわあああああ」


歓声はどんどん大きくなっていく。



【80ー82】


逆転。


残り時間3分を切った。

点を取られ、取り返してが続けられたゲームはいよいよ終盤へと差し掛かった。



【93-91】



再び相手が優位な得点で、残りは1分を指している。



もう、すぐ終わってしまうんだ。

この試合が。


私の気持ちは思ったよりも落ち着いていた。


ああ、あの時すごく楽しかったな。


とか

悔しかったなとか、溢れて止まらなくなった。


好きなものを好きじゃないと言っている時間はやっぱり辛かった。


好きなものは堂々と好きだって言えることが


こんなに幸せなことなんだって、知った。



ねぇ、陽介。

見ててね。










< 236 / 266 >

この作品をシェア

pagetop