リトライ。



どうする。


中と外。
激しいプレッシャー。

中に切り込んでいけそうにもない。

攻めあぐねていると、残り時間は3秒になっていた。


時間がない。

やらなくちゃ。


約束したんだ。


陽介と。

絶対に気持ちで負けないって。


私はディフェンスのすぐ横をすり抜けてレイアップシュートに向かった。


「カバー!」


相手チームの声が響く。


ふたりのディフェンスが私に集まり手を伸ばす。


私はそれでも押し出されないように、

必死にゴールめがけてシュートを放った。


ピ―――!


大きな笛が鳴り響くとともに、

ぱす、っという音が響き渡る。


ボールはネットをくぐって床へと落ちた。



「ファウル白8番、バスケットカウントワンスロー!」


「わああああああ」





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