リトライ。
それから、
相手チームがボールを運んだところで、試合は終了した。
ビ-----!
長めになったブザー。
最後の試合が終了した。
【68-69】
「勝った……っ」
1点差で私たちのチームが勝った。
会場はまだ熱を持ち、歓声が響き渡っている。
本当に勝ったんだ……。
「気をつけ、礼」
「ありがとうございました」
高校最後の試合。
私たちのチームは1点差で勝利を収めた。
試合が終わり、
戦った選手に礼をすると今度は観客席の方に向かう。。
ぐっと唇をかみしめる。
視界がボヤけていく中、しっかりと母の姿を見た。
あの時、言えなかった言葉。
やっと言える。
私の目の前には母の姿がある。
逃げるように立ち去ったあの時を、私はずっと後悔していた。