リトライ。



それから、

相手チームがボールを運んだところで、試合は終了した。



ビ-----!


長めになったブザー。

最後の試合が終了した。



【68-69】



「勝った……っ」


1点差で私たちのチームが勝った。

会場はまだ熱を持ち、歓声が響き渡っている。


本当に勝ったんだ……。



「気をつけ、礼」

「ありがとうございました」



高校最後の試合。

私たちのチームは1点差で勝利を収めた。


試合が終わり、

戦った選手に礼をすると今度は観客席の方に向かう。。


ぐっと唇をかみしめる。


視界がボヤけていく中、しっかりと母の姿を見た。


あの時、言えなかった言葉。

やっと言える。


私の目の前には母の姿がある。


逃げるように立ち去ったあの時を、私はずっと後悔していた。



< 243 / 266 >

この作品をシェア

pagetop