リトライ。

キミとの出会い

あれから2週間。


部活の仮入部期間も終わり、泉ちゃんは正式に料理部に入部したようだった。


一方私は……。


「沙奈はまだバイト決めてないんだ」


「うん、なんか何やったらいいか分からなくて……」


どうせなら自分が好きなことをやれるバイトをしたい。

なんて考えていたら、けっきょく何も見つからず、何も行動を起こさないまま今日までを過ごしていた。


やりたい事がない癖に気持ちだけは一丁前。


見つかるわけがない。


「いいところ見つかるといいね……」

「うん」


ただぼーっと、与えられたものだけをこなす毎日。


前はがむしゃらにバスケをして、もっと上手くなりたいと、上を見てきた。


だけど、今の私には何もない。


空っぽになった心と共に

そのままを身体を動かしているだけの、そんな感覚だった。