リトライ。
こんな抜け殻のような私を見て、前の私を知っている人たちはどう思うだろう?
好きなこと、趣味、特技。
何もかも胸を張って言うことが出来ない。
ダメな私。
何をするにも中途半端だ。
「はあ……」
深くため息をつくと共に、朝の授業は始まった。
「皆さん、そろそろ学校に慣れて来た頃だと思いますが……どうですか?高校生活は」
先生は問いかける。
少しずつ周りと話すようになった。
友達もしっかりいるし、勉強も今はなんとかついていけている。
それでも何か足りていなかった。
授業を受けて友達と話して、放課後になったらまっすぐ家に帰る。
憧れていた生活であるのに、実際にそう過ごすとひどくつまらない。