リトライ。
誰かの言葉
空は薄暗く、どんよりとしている。
太陽を分厚い雲が隠していて、雨が降りそうな天気だった。
「え〜それで怒って帰って来ちゃったの?」
「だって初めて会ったのに、ズケズケ聞いてきてさ、なんか失礼な人だったし……」
朝。
私は昨日あったことを泉ちゃんに話していた。
「いい機会だったのに〜!勿体無いよ。
ほら、こういう出会いって恋愛に繋がるかもしれないじゃん?」
「ないない!同じ1年だからすれ違うことはあるだろうけど……もう話すことはないだろうし」
「でもさ、きっと沙奈がバスケしてる時、楽しそうに見えたからそう言ったんだとおもうけどなあ……」
もう、泉ちゃんまでそんな事言うんだから!
「泉ちゃんが私より知らない人の味方する」
「ごめんって」
泉ちゃんはくつくつ笑うと、思いついたように言った。
「あっ、でもね!私が調理部入ったの、沙奈お陰でもあるんだよ」