リトライ。
今まで遊びでしか知らなかったバスケは、ルールを知るたび、人が本気で試合をやるたび気分が上がっていく。
その感覚はやっぱり新鮮だった。
すごい、楽しい、もっと、もっと。
私も早く試合に出たい。
その気持ちを秘めながら、まっすぐにバスケだけの事を考えて、ひたすら練習に打ち込んだ。
朝練も人より早く来て、放課後も残っていいギリギリの時間まで練習をした。
全く出来なかったことがどんどん出来ていくのが嬉しい。
知らなかったシュートを教えてもらえるのが嬉しい。
嬉しいことは重なり合ってどんな練習でも頑張れた。
『沙奈ちゃん上達早いね〜』
そしてバスケ部に入って5カ月たった頃。
やっと先輩にも認められるようになって来た。
コーチからもこれからが楽しみだと言ってもらえて、すごく嬉しかったのを覚えている。