リトライ。
そしてまさかの高校でも同じクラス。
一緒になれるとは思っていなかったから、発表の日はふたりして声をあげて喜んだ。
本当にラッキーだったと思う。
式中もこうして小声で話せるし、知ってる誰かがいてくれるだけで心強い。
「これからもよろしくね」
泉ちゃんは笑顔を浮かべてから前に向き直った。
「えーこれから入学式を始めます」
入学式はだらだらと長くて眠たくなった。
心地よい気温が眠気を誘い、久しぶりに早起きをした私のまぶたを重たくさせる。
ーー眠たい。
ゆっくり目をつぶると、蘇る。
『行けー!頑張れー!』
『シュート』
たくさんの思い出が。
「えー、以上で入学式を終わります」
ぱちり。
思い出を断ち切るように目を開けたのは、式が終わったからだった。