リトライ。
約束通り、めいいっぱい応援をした結果。
先輩たちの試合は3回戦まで勝ち上がったところで負けてしまった。
先輩たちが流す涙をしっかり目に焼きつけて、忘れないよう心に刻んだ。
前をみて、私も進むんだ。
それから私は今以上に努力をした。
上手い人のプレーを見て、技を真似たり、
自分の苦手なシュートを徹底的な練習したり、苦手なことから逃げずに立ち向かった。
『沙奈、相手お願い』
『はい』
そうすることで、段々と自分の技術は上がっていった。
しかし。
『ごめんね、沙奈。うちらもう無理だから……』
突然、ユニホームをもらえなかった仲間が全員部活をやめると言い出した。
『待って、まだ辞めるのは早いよ!もう1回頑張ってみたらきっと……』
『沙奈、よく考えてみなよ。
うちの学校強豪校のバスケ部なんだよ、初心者から始めて使われるわけないじゃん』