リトライ。



もう……。

彼女の目に光は無かった。


冷めた目が諦めてしまったことを悟った。


もう光ちゃんを止めることすら出来なかった。


”初心者から始めて使われるわけないじゃん”


やめて行った友達の言葉が頭に残る。



それでも私は……。


『私が証明する。頑張れば必ず報われるって』



自分を信じることにした。


私が成し遂げれば、光ちゃんも気づいてくれるかもしれない。


分かってくれるかもしれない。


そう思って、必死に練習した。



『パス』


毎日、声を出して。


『ナイシュ―!』


1日も休まずに練習にきて。


そして入部から2年後。

ついにひとつ上の先輩が引退して私たちのチームがメインの時期はやって来た。




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