リトライ。
『……ははっ、』
”努力は必ず報われる”
そんなの嘘っぱちだ。
そんなわけないのに、そうなんだって夢みたいなこと信じて頑張っていた。
その結果がこれだ。
ああ、なんだ。
けっきょくこうなってしまうなら何も意味なかったじゃないか。
『光ちゃん呼ばなくてよかったな……』
ひどく無様な姿だと思った。
悔し涙も流せずに、負けていった試合をひとごとのように見ている自分。
応援席にいた母親と目が合った時、
一番恥ずかしいと思った。
何をしてたんだろう。
力なく立ち去ったあの日。
家に帰っても一睡もすることが出来なかった。
母親への感謝。
いつか伝えようと思っていたことは悔しさの中、消えてしまった。
終わった。
私の青春が。
全てをかけた夢が終わった。