リトライ。
大好きなはずなのに、現実を受け止めたくないから嫌いって自分に言い聞かせて
本当の気持ちを閉じ込める。
そんなの苦しいに決まってる。
辛いに決まってんじゃねぇか。
「辛いことがあっても、苦しいことがあっても、
好きなものを嫌いになることより苦しいことはねぇ」
そうやって思わせてくれたのは、俺が無意識に向かった先の公園だった。
唯一バスケットゴールがあるこの公園で練習が終わった後もひとり練習をした。
辛くても、身体が疲れていても
楽しくてここでバスケをしている瞬間は幸せだった。
どうしたって身体はここに向かってしまうんだ。
どんなに強がって見ないフリしてたって、
嫌いだって言って、気を張っていたって、敵わない。
好きだという気持ちには。
気づけば目から涙がぼろぼろ零れていて、
俺はひとり泣きじゃくりながら誓った。
”もう逃げないと”