リトライ。


こんなところで不安になってちゃダメだ。

まだ始まったばっかりなんだから、しっかり確実にみんなに追いついていけばいい。


こうして私は練習を見学しながらボールを触り、みんなが休憩している時間にシュートを打っていた。


「ねえ、沙奈ちゃん」


すると、休憩の時。

ひとりの子が話しかけて来た。


「私、まはる。同じ1年なんだけど沙奈ちゃんは中学松江中だよね?1回戦ったことあるんだよ~」


「うそ、知らなかった……」


「だって強豪校だもんね、私たちのチームは負けちゃったけど。ポジションどこだったの?」

「ホワードだよ」

「やっぱり?なんかっぽいなって思ってた。私はガード、よろしくね」


無邪気な笑顔を見せる彼女は相田まはるちゃんというらしい。

嫌味がなくて自然と会話が弾んだ。



背が低くすばっしこい動きをする彼女は相手の攻撃を防ぐガードにてきめんだと思う。


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