リトライ。



何度違うと言ってもまはるちゃんは聞いてはくれなかった。


もう、陽介のせいだ……。


そうは思いつつも着替えて、校門に向かって彼を待つ。

待たないで先に帰ればいいのに、

それが出来なくて……ドキドキしながら待っていた。


よく考えれば、今まで男の人と一緒に帰るとか、そういうことするのは初めてだ。


今までバスケばっかりで、全然そんなこと考えたことが無かったから。

なんか、緊張してきて意識し始めてしまう。

そわそわして何度もカバンを持ち直していたその時。


「お待たせ」

彼はやって来た。


「行こうぜ」

頷くと、ふたり並んで歩き出す。


「てかさ、家こっち方面でいいの?」


私がそう聞くと、彼は手を頭で組みながら答えた。


「まぁ、その辺だから。それよりさ、コンビニ寄ろうぜ。俺アイス食いたい」

「え~」


なんて文句を言うとお腹がぐう、鳴り出して、陽介がじっとこっちを見るから顔が真っ赤になった。


「沙奈ちゃん素直~」

「うるさいっ!」


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