first love~世界で一番素敵な初恋~


「練習を始める前に話がある。」


いつもだったら今日のメニューを伝えてからすぐに練習が始まるんだけど、今日は違うみたいだった。


「先日、鵬龍学園から電話で練習試合の申し込みがあったんだが、顧問と相談して今週の日曜日に行うことになった。」


「嘘だろ?あの鵬龍学園が練習試合って……」


誰もがその学校の名前に驚いた。


それもそのはず。


鵬龍学園というのは東京にある名門のお金持ち学校。


なんだけど、テニス部がやたらと強くて確か去年の全国大会の個人戦で優勝した人がいたはず。


団体戦でも全国大会ベスト4の成績を残している強豪校で、白樺学園よりも圧倒的に格上の学校だった。


そんな鵬龍学園が格下の、しかも田舎にある白樺学園にわざわざ練習試合に来るなんて……


「一応、交流会ということで合同練習をしてから練習試合を行う。
勿論、レギュラー陣は試合に出るがそれ以外の部員も時間の許す限り試合してもらうつもりだからいつも以上に練習に励むように。」


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