first love~世界で一番素敵な初恋~

思い出だけじゃない



「もう、何であんないっぱい人が居る中で婚約者宣言しちゃったの?」


コンテストが終わり、髪型はそのままで制服に着替えて車に乗っていた。


「何でって、いい機会だと思ったんだよ。
それに、俺がどんなに真剣なのかが分かっただろ?」


そりゃ、あんな全校生徒で婚約者宣言をするということは真剣じゃないと出来ない。
だって西園寺は大財閥の後継者で、あんな人が沢山居る場所で嘘をつくと信用がなくなる。
だから西園寺の気持ちは分かったけど……


「でも、あんなこと言われたら変に注目されて廊下も歩けないよ………」


あんな変に注目なんかされたら、廊下を歩く度に何か言われるに違いない。


「もし、何かあったら俺が守ってやるから。」


西園寺の言葉はどうしてこんなに私をドキドキさせるんだろう。
西園寺の言葉の一つ一つに反応してしまって前みたいに言い返すことが出来ない。



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