first love~世界で一番素敵な初恋~



「…………唯那、そんなに俺のことが嫌いか?」


西園寺は私が指輪を返そうとしていることを嫌いになったと思ってる?


「…………違う、嫌いじゃない」


私は泣きながらも精一杯否定をする。


「じゃあ、何でそんなことを言う?
……………俺は何を言われても唯那を手放すつもりはない。」


西園寺が本当に手放したくない相手は私じゃない……………


「西園寺が探してきた相手は私じゃないの!
西園寺が指輪を渡した女の子は私じゃない!」


「…………え?」


「確かに、指輪は私が持ってたかもしれない。
でも、私には西園寺から指輪をもらった記憶がないの!
たから、私なんかを西園寺家に置いておく理由なんかないの…………」


「いきなりどうしたんだよ、唯那………」


「もう、辛いの!
本当の婚約者を想い続ける西園寺見ているのが辛いの!
私は西園寺の本当の婚約者じゃない……!
なのに…なのに…好きになってしまったから、他の人を想い続ける西園寺を見るのが辛い。」


「……………唯那」


「好きになるはずじゃなかった………
なのに、気付いたらあなたを好きになってて…
その気持ちがどんどん増えていっちゃうの。
だから、これ以上好きにならないように私を遠ざ………」


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