first love~世界で一番素敵な初恋~
「………………………嫌じゃねぇよ」
そう言うと、唯那は俺の顔をじっと見る。
俺は恥ずかしくなって、つい唯那がいる方と逆の車道に視線を写した。
「え?」
「俺は唯那が傍にいればそれでいい。
デートの場所はどこでもいい。
俺は唯那が隣に居るから楽しいと思えるし、どんな場所に行くにも唯那がいないと意味ねぇから。」
そう言うと、唯那は笑顔を見せる。
「本当に?西園寺は物好きだよね。
西園寺なら、もっと綺麗な人や西園寺に合う地位の人が世の中に沢山居るのに、可愛さもなければ、お金も地位もない私を婚約者にするんだから。」
「お前なぁ、自分がどんなに美人か意識しろよな。
常にお前はねらわれてるんだぞ?」
今日も2人で歩いていると、男からの目線が絶えなかった。
まぁ、こいつはそれに気付いていなかったみたいだが。
「そんなことないよ!
狙われてるのは西園寺の方だから!」
まぁ、女からの視線もあったが、唯那がそれに対して嫉妬をしていることに驚いた。
あんなに俺のことを嫌いだった唯那が、今じゃこんなに好きでいてくれるのは嬉しい。
「え、何で俺が狙われてんの?」
俺は唯那の反応が見たくて、からかってみる。
「え、だって、その、かっこいいから」
俺は顔を赤くして言う唯那が可愛すぎて仕方なかった。