first love~世界で一番素敵な初恋~


「では、配役を決めたいと思います。」


最初に決めるのは、キャスト。
私は裏方の小道具希望だったから出番はないと思い、寝ようと顔を伏せる。


半寝状態の私は、誰がどのキャストに決まるのかが聞きたくて聞き耳を立てる。


「王子様役は満場一致で西園寺様に決定しました!」


西園寺が王子様……まぁ、似合ってるよね。


「では、主役の白雪姫なんですが………」


と、クラス委員の言葉に辺りがシーンとなっているのが分かる。
私はどうかしたのかと思い、伏せていた顔を上げると西園寺以外の視線が私に集まっていた。


「………皆、どうしたの?」


私は寝ぼけた状態で私から視線を離さない皆に問いかける。


すると……………


「やっぱり白雪姫は唯那でしょ!!」


クラスメートの女の子がそういうと、皆がそれに賛同している。


「え、ちょっと待って。
私は小道具希望なんですけど……………!!」


私のその声は誰の耳にも届いていない。


「だめだよ!唯那が小道具なんて。
唯那は西園寺様の婚約者なんだから、白雪姫役をやるのは当たり前でしょ?」


西園寺が王子様、やることになったからって私が白雪姫をやる理由にはなってないんですけどー!!


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