first love~世界で一番素敵な初恋~
それから西園寺に連れられてホールに立つと、
文化祭が始まってから教室はお客さんで溢れていた。
あまりにも人が多すぎて、時間制限が出来る程。私は浮いちゃうと思っていたが、そう思っている暇もなく接客に追われていた。
疲れたぁ。と午前の部が終わると、別の教室に用意された休憩室で、一人椅子に座りテーブルに寄りかかる
「ほんと、人多すぎな」
西園寺も一緒に休憩を取ることになって、私の隣の席に座る。
「やっぱり、西園寺は一番人気だよね。
メアドが書かれた紙とかもらってたし。」
西園寺は接客してる間に、女の人から話しかけられたり、電話番号を聞かれるだけじゃなく一緒に校内を廻りたいと誘われたり、とにかく大人気だった。
「何?唯那、焼きもち妬いてくれてんの?」
西園寺はニヤリと笑って私の顔を見る。
「べ、別に焼きもちとかじゃないから。
……西園寺は話しかけられた女の子と劇始まるまで廻ればいいじゃん。」