first love~世界で一番素敵な初恋~
午後は劇の時間になるまで暇で、西園寺と一緒に衣装を着たまま廻っていた。
本当は制服に着替えたかったんだけど、晃くんが宣伝になるからと言って強制的にメイド服のまま。
「昼飯食ってねぇからお腹空いているだろ。
何か食べたい物とかあるか?」
そういえば、朝から何も食べていなくてお腹はペコペコだった。
「焼きそば!焼きそば食べたい!」
「じゃあ、買ってくるからそこで待ってろ。」
そう言って、出店に並ぶ西園寺。
執事の格好だから、遠くに居ても西園寺だってすぐに分かる。
しかも、周りからかなり注目集めちゃってるし。
「ほら、そこで食べようぜ」
「……………ありがと」
近くにあったベンチに座り、西園寺が買ってきた焼きそばを食べる。
「でも、西園寺が焼きそばって何か似合わないよね。」
「うるせぇ。」
西園寺にはフルコースを食べているイメージしかない。
「こういう庶民の食べ物を食べるのは文化祭の時しかねぇんだよ。」
だよね。普段家で食べる料理はシェフが作ったフルコースだし。
「庶民の味もなかなかいいでしょ?」
「あぁ。この焼きそばも美味しいが前に食べたラーメンも美味しかった。
また食べに行こうな。」
「うん!」