first love~世界で一番素敵な初恋~


劇が始まってしばらく経つと、唯那の顔は汗が出ていて顔色も悪いように見えた。


「なぁ、何か唯那の顔色悪くないか?」


俺は舞台袖に着ていた晃に話し掛ける。


唯那は無理矢理笑顔を作って演技してるけど、舞台のすぐ横で見てる俺には分かった。


「確かに、顔色は悪そうだな。
そりゃ、こんなに長い時間舞台に立って証明を浴び続けてるから立ちくらみしてもおかしくないよな。」


沢山の汗をかきながら必死に演じる唯那。


「……まさか、倒れたりしねぇよな。」


俺はそのことが心配になる。


「龍我は心配性だな。
唯那ちゃんは、そんな弱い女の子じゃないよ。
それは、一緒に全国大会で優勝した龍我が一番分かってるんじゃねぇか?」


まぁ、そうだな。全国大会の決勝戦であんな凄い試合を見せつけた唯那がそう簡単に諦めるわけがないよな。


それにしても、舞台に立つ唯那を見ると昔のことを思い出してしまう。
そういえばあの時もこんな感じだったよな………


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