first love~世界で一番素敵な初恋~


試合がどんなに進んでも決着が着く様子は見られず、点を取られたら取り返すの繰り返しだった。


今までストレート勝ちしかして来なかった俺にとっては、こんなに長い時間試合をすることが初めてで予想以上に体力が消耗していった。


だが、それは俺だけではないのは相手の様子を見れば分かる。


相手も最初に比べて息切れが目立ち、体力が限界に近付いているように見えた。


だが、俺達の試合に体力の限界は関係ないと思えた。


もしかしたら、この試合は集中力を切らした方が負けるのかもしれない…………


試合は、遂にタイブレークを迎えていたが、それでも決着は着かず、気づけばアドバンテージになっていた。


もう今からは技術がどうのとかじゃない。予想通り集中力の勝負になっていた。


勿論、ここまで俺に着いてくる奴は初めてだった。


今まで対戦して来た相手は、ほとんど1ゲームも取れない奴が殆どだった。


1ゲームを取られたこともなければ、ましてやタイブレークを迎えたことはなかった。
勿論アドバンテージまで来たことはない。


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