first love~世界で一番素敵な初恋~
西園寺の言うとおり、私は前を向かなければならない。
私の命を守ってくれたお父さんの為に。
そして、私のことをずっと待ってくれた西園寺の為に。
私は改めて西園寺の顔をを見る。
「迎えに来てくれてありがとう。
それと、こんな私を12年も長い間好きでいてくれて、ありがとう。」
私の目にはさっきまでの涙はなく、とびきりの笑顔で西園寺に感謝の気持ちを伝えた。
「唯那……」
「…………ちゃんと、全部思い出したから。
西園寺が一人で遊んでいる所に話しかけに行ったことも。
私のこと、桜みたいな女の子だねって言ってくれたことも。
私の王子様は、龍くんだけだってことも。
西園寺が、この指輪が入るようになったら結婚しようってプロポーズしてくれたことも。」