first love~世界で一番素敵な初恋~
私は気付いたら嬉し涙でいっぱいだった。
西園寺がお父さんに言いたかったことってこのことだったんだ…………
溢れる涙を手で拭っていると、西園寺はゆっくり私に近付いて目の前で立ち止まった。
「最初会ったときは唯那の気持ちを聞こうともせず無理矢理押し通したが、今度はちゃんと唯那の気持ちを聞かせてほしい。」
そう言うと、西園寺はゆっくりと深い深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。
「唯那、お父さんの前で正式に俺の婚約者になってくれるか?」
西園寺は私の目をちゃんと見て、真剣な表情だった。
「ねぇ、西園寺。私は指輪をもらった時から西園寺の婚約者なんだよ?
あの時から私の気持ちは変わっていないよ。
それどころか、もっと好きになっちゃったんだから。」
私は、幼い頃から西園寺のお嫁さんになることを望んでた。
例え、記憶が無かった頃があったとしても全てを思い出した私の心に偽りはない。
「こんな私でよかったら、ずっとあなたの傍にいさせてください。」
それが、私の答えだった。
これからも喧嘩は沢山すると思う。
でも、好きだと思えるのは西園寺しかいない。
西園寺以外と結婚するなんて有り得ない。
私の答えを聞くと、西園寺は私を思い切り抱き締めた。
「もう二度と離さねぇから覚悟しろよ。」
「西園寺も、離れたいって言っても離してあげないから。」
「宣戦布告かよ……まぁいい、望むところだ。」