first love~世界で一番素敵な初恋~
「ねぇ、どこに向かってるの?」
私はどこに向かうのかを知らされないまま車に乗っていた。
「今日、親父とお袋が泊まる予定のカメーリア グランド ホテル。
今日はそこで夕食を一緒にとるらしいから。」
「カメーリア グランド ホテル??」
私は思わず大きい声を出してしまった。
カメーリア グランド ホテルというのは、私でも知っている超高級ホテル。
勿論、泊まったことはないけれど。
凡人の私は一生行かないであろうと思ってたのに、まさか17歳で行くことになるとは思わなかった。
「何でそんなに驚いてるんだ?」
「だって、カメーリア グランド ホテルって庶民には手が届かない高級ホテルだよ?
そんな場所に私なんかが行くなんて、絶対場違いだよ!」
いくら綺麗なドレスを着てたって、中身が庶民なんだから。
「場違いじゃねぇ。
唯那は俺の婚約者だ。堂々としてろ。」
「でも…………」
「それに俺の嫁になるんだから、しょっちゅう行くことになると思うけど。」