first love~世界で一番素敵な初恋~


「まぁ、最初は母が興味本位で始めたんだが、気付けば世界規模にまで発展させたらしい。」


お母様はまだ話しやすい方だと期待していたのに、そんなことを聞かされたらもう不安でしかないよ。


「まぁ、そう構えんな。俺が隣に居るんだから俺に任しときゃいいんだよ。」


西園寺はそう言ってくれるけど、ドキドキが止まらない………


「龍我様、唯那様。到着いたしました。」


そう言われて車から降りると、目の前にはテレビの画面でしか見たことのないカメーリア グランド ホテルがそびえ立っていた。


「行くぞ。」


そう言われて、目の前を歩いていく西園寺の後ろに着いていく。


「龍我様、オーナーと旦那様は既にお部屋にいらっしゃいます。」


「わかった。」


ホテルに入った所で声を掛けられ、西園寺が返事をするとエレベーターに乗り込む。


到着したのは最上階で一目でスイートルームのフロアだということが分かる。


一つの部屋の前に立つと、西園寺は前触れもなくドアを叩いた。


「はい。」


そう、中から聞こえると………


「俺だ。」


とだけ言うと、ドアがゆっくりと開いた。


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