first love~世界で一番素敵な初恋~
「龍我様、お久しぶりでございます。
中で、旦那様と奥様が待っておられます。
唯那様も、どうぞお入り下さい。」
執事と思われる人に案内されて部屋に入ると、ソファーに西園寺の両親が座っていて、私は西園寺に誘導されて向かいのソファーに腰を下ろした。
「……………久しぶりだな、龍我。」
口を開いたのは、西園寺のお父様と思われる人だった。
見た目からしてとても厳格そうな方。
そして、隣に座るのは西園寺のお母様だと思われる女の人が静かに座っていた。
「あぁ。…………親父、紹介する。俺の婚約者の島崎唯那だ。」
「は、初めまして、島崎唯那です。」
私は緊張しているのを抑えて、冷静を装って挨拶をする。
「唯那さん。あなたのことは神谷から聞きました。勿論、幼稚園の頃から…………
あなたは一人だった龍我に最初に話し掛けてくれたらしいですね。
それは、西園寺の跡取りだと知ってのことですか?」
「おい、親父!」
西園寺は怒って立ち上がろうとしたが、私はそれを左手で止めた。
そして、大丈夫。と西園寺の目を見て心の中でそう言った。