first love~世界で一番素敵な初恋~
キーンコーンカーンコーン。
放課後を知らせるチャイムが鳴り響くと、下校する生徒が校舎を後にする。
私はというと、部室で着替えを済ませてから下足箱の前で靴に履き替える。
「唯那!一緒に外まで行こう!」
そう言って私を追いかけてきたのは親友である裕美。
彼女はバレー部の部員で途中まで私と同じ方向だった。
「いいよ。行こう。」
ここは茨城県にある白樺学園高等部校舎。
白樺学園は県内有数の進学校であり、スポーツではテニス部が全国大会常連校として有名だった。
私は島崎唯那。高校2年生。
一応、ここのテニス部に所属している。
「ねぇ、唯那。
今までずっと気になってたんだけど………」
「何?」
「唯那ってさ、付き合ってる人とか居るの?」
「へ?」
私は予想もしない発言に思わず変な声を上げてしまった。
「な、何言ってるの?
付き合ってる人なんか居るわけないじゃない。
今は部活が恋人って感じなのに。」
「でもさ、いつも大事そうにネックレスに指輪をつけて持ってるじゃない?
だから彼氏とのペアリを隠して着けてるのかなぁって。」