first love~世界で一番素敵な初恋~
「あなたが屋敷で生活している様子も神谷から聞いていたわ。
龍我、かなり曲がった性格に育っちゃったから龍我を扱える子なんていないと思ってたの。
そしたら、その龍我が振り回されてるって神谷が言うもんだからどんな子か気になっていたけど、まさかこんな綺麗な女の子とは思わなかったわ。」
「いえ…綺麗だなんて…………………」
私は焦って否定した。
「神谷の奴、変なことを報告しやがって……」
西園寺はチッと舌打ちをした。
「龍我の5歳の誕生日にしきたりの指輪を渡して、大人になるまで取っておくと思ったら、私が渡したその日にあなたに指輪を渡したって聞いて最初は幼い頃の約束を大人になって覚えているわけがないって思ってたわ。」
そりゃ、幼稚園の頃に結婚しよう。って約束しても大人になったら忘れてるなんて当たり前だからまさかそんなしきたりの大事な指輪をそんなに早く渡すなんてお母様からしたら不安で仕方ないはず。
「この指輪は、あなたも聞いたかもしれないけど一度渡したら取り消すことは出来ないの。
だから、結婚したい人が現れたらって言うのは慎重に考えて渡しなさい。って意味だったのに……」