first love~世界で一番素敵な初恋~


西園寺の顔を見ると、何か思い詰めたような顔をしていた。


「よく嫌なことがあると、夜遅くに神谷を連れてここに来た。
この光を見れば、俺が悩んでいたことはちっぽけなものだってことに気付かされたし、それに………」


「それに?」


私は思わず聞き返した。


「それに、この広い都会の中に唯那が居るんじゃないかと思うと、どんな風に成長してるのかとか、今は何をやっているんだろうとか、いつ再会出来るのかとか色んなことを考えていた。」


「……………西園寺」


私が西園寺のことを忘れていた間、ずっとこんな風に私のことを探してくれてたんだ。


話を聞いて分かっていたつもりでも、何処に居るのかも分からない人を待ち続けるのって大変なことなんだよね。


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