first love~世界で一番素敵な初恋~
すると西園寺は急に私の手を取り、私の身体を自分の体の正面に向かわせる。
空は暗いけど、ビルから照らされる光で西園寺の表情は読み取れた。
「……………どうしたの?西園寺。」
冷静を装っている西園寺だけど、手は微かに震えていて緊張しているのが私にも伝わってきた。
それからすぐに、何かを決心した西園寺は真っ直ぐ私の顔を見る。
その時の目は、とにかく真剣で真っ直ぐなものだった。
「俺、ここで唯那のことを思う度に、いつか再会することが出来たら、ここに連れてきて言おうと思っていたことがあるんだ。」