first love~世界で一番素敵な初恋~
「…………………俺は、今までずっと唯那のことが好きでした。
……唯那が俺の前から居なくなってからは、俺にあるのは幼稚舎の頃の唯那の記憶だけで、再会すればあの頃の唯那に会えると思っていた。
でも、再会した唯那は気が強くて、真っ直ぐで、素直で、家族思いの女の子で…………気付けば目の前に居る唯那のことを好きになってた。」
私は西園寺の言葉にうんうん。と相づちを打ちながら聞いていた。
「俺は、これから西園寺財閥を背負っていかなければならない人間だ。
だから、傍に居れなくて唯那に寂しい思いをさせてしまうかもしれねぇ。
でも、唯那にはこれからもずっと隣に居て欲しいし、その気持ちは昔と変わらない。」
気付けば私の目からは涙が流れていて、西園寺が手の甲でそっと拭き取る。