first love~世界で一番素敵な初恋~
だからなのか、俺がどんなに話しかけても奴らは何も言わずに離れていく。
最初は諦めずに何度も話しかけてみるが、誰も俺の目すら見ないで一方的に避けられていた。
避けられる理由が分からなかった俺は、次第に話しかけるのを止めて一人で居るようになった。
本当は周りの奴らみたく友達が欲しかった。
友達とワイワイ喋りたかった。
でも、それが適わないと知ったのはあるグループが話しているのを聞いた時だった。
『西園寺財閥を敵にしたら生きていけないってお父さんが言ってた。』
『俺たちが喋りかけて何かあったら怖いからな。』
『お母さんが絶対に近づいたらだめだって…』
その時、俺に友達が出来ない理由を初めて知った。