first love~世界で一番素敵な初恋~
「ねぇ、何でキミはいつも一人で居るの?」
いつも通り一人で居ると、彼女は何の前触れもなく俺に話し掛けた。
彼女は転校して来たばかりで暗黙のルールを知らないのか、俺が一人で居るのが不思議そうだった。
俺は誰かと話すことに慣れていなくてただ黙ってただ黙っているだけだった。
「ねぇ、キミは一人で居るのが好きなの?」
と、反応しない俺を見て彼女は更に言葉を付け足す。
「そんなわけないだろ。」
俺は低い声で言葉を返した。
今まで一度も一人で居ることを好きだなんて思ったことはない。
でも、西園寺の肩書きを背負っている以上、それは仕方のないことだと分かっているつもり。