first love~世界で一番素敵な初恋~


それから彼女は俺の元へ来るようになり、一人で居ることがなくなった。


初めの方は人に慣れていないというのもあり、声を掛けられても話すことが出来なくて唯那からしたら、かなり無愛想だったと思う。


それでも唯那は俺の傍に居てくれて話すことを諦めないでくれた。


「今は話すことに慣れてないだけだよ。
だからね、私と話して慣れよう?」


最初は俺が話せるようになる為に毎日俺の元に来ては自分のことを沢山話してくれた。


すると、俺も少しずつ自分自身のことを話すようになり、執事や両親といった身近な存在にも話さないようなことも彼女には話せた。


それからは彼女が俺と一緒に居る時間が増え、気付けば幼稚舎に居る時はずっと彼女と一緒に居るようになった。


彼女と話す内容は本当に他愛もない話だが、彼女と居るだけで俺は笑うことが出来た。


その変化には執事の神谷も驚いていたのを今でも覚えている。


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