first love~世界で一番素敵な初恋~
それからしばらくして学年が一つあがり、年中のさくら組となった俺たち。
俺は学年があがる前に学園長に密かに頼み、唯那と同じクラスにしてもらった。
唯那はそんなことを知らずに喜んでいた。
クラスも唯那の苗字であるさくら組。それは偶然だったが俺は唯那と居れるだけで幸せだった。
「唯那は桜みたいな女の子だな……」
「さくら?」
「そう、桜の薄いピンクみたいにとても綺麗な心を持っていて、桜みたいに見るだけで癒される。唯那の佐倉っていう苗字は唯那そのものを表しているよ。」
俺は、幼稚舎の前で咲いている大きな気の前で顔を赤くしながら言ったことを覚えている。
その頃になると、俺はもうクラスの中心で周りの女の子から密かに好意を寄せられるようになっていた。
それでも、俺が見えているのは唯那だけだった。