first love~世界で一番素敵な初恋~


私は女の子達に気付かれないように背後からこっそりコートに入ろうとするんだけど、大勢の女の子達を前に成功するわけもなく………


「あれ?唯那様も来たみたいよ!」


すぐにバレてしまい、騒がれてしまう。


「唯那様、今日の練習も頑張ってください!」


私は女の子達の声援に応えながらコートに入っていく。


「相変わらず唯那の声援はすげぇな。」


練習していたレギュラー陣はボールを止めて私の周りに集まってくる。


「俺ら以上に人気あるもんなー。唯那は。」


白樺学園高等部のテニス部は女の子達からの人気が高い。


それは全国大会常連校という肩書きだけでなく、レギュラー全員がイケメン揃いだというのが原因だった。


そして私はというと、男子揃いのこのテニス部で唯一の女子部員だった。


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