first love~世界で一番素敵な初恋~
何事も無かったかのように家に入ると、玄関には見たことのない、いかにも高級そうな革靴が3足もあった。
……靴があるということは、誰かが私の家を訪ねているという証拠。
でも、この家には私とお母さんしか住んでいないし高級な革靴を履くような人が訪ねてくることに心当たりがなかった。
とりあえずお母さんと話をしているのなら邪魔をしてはいけないと、リビングに入らず2階にある私の部屋に向かおうとした。
すると私の足音に気付いたのか、リビングの扉が開いた。
「唯那、おかえりなさい。ちょっと話があるの。こっちへいらっしゃい」
お母さんにそう言われ私は鞄を持ったままリビングへと入る。
入った時、お客さんは私に背を向けた状態で顔は見えなかったが3人共ビシッとしたスーツを着ていてそれだけでただ事ではないと感じる。
そして、お母さんに指示され、スーツを来た人と向かいになった所にあった座布団にゆっくりと腰を下ろした。
その時は下を向いていて気付かなかったが、顔を上げた時にハッとした。