first love~世界で一番素敵な初恋~
明らかに信じようとしない私を見かねたのか、今まで口を閉ざしていた西園寺さんが話しだす。
「……なら、お前に証拠を見せてやるよ。
お前が俺の婚約者だという確かな証拠をな…」
「そ、そんなの、あるわけないじゃないですか!
今まであなたに会ったことないのに………」
「なら、今お前の首についている指輪を出してみな。」
え、指輪??
指輪っていつも身に付けてるこの指輪のことだよね?
私は疑問に思いながらゆっくりとネックレスを外し、西園寺さんの目の前に置いた。
これが私が西園寺さんの婚約者だという証拠なの??
西園寺さんは、私が置いた指輪を手に取ると何かを確認するようにじっくりと見ている。
「間違いない、これは12年前に俺が婚約者に渡した指輪だ。」
12年前???そんな昔に西園寺さんに会っていたっていうの?
私は頑張って思い出そうと試みるが、西園寺さんと会った記憶もなければ、西園寺さんから指輪をもらった記憶もなかった。
「でも、指輪って同じデザインのものならこの世に沢山あるでしょ?
たまたま私が持っているものと同じだっただけじゃない。」
どうしても信じられない私を見て、西園寺さんも自分の首についているネックレスを外し、私の前に置いた。