first love~世界で一番素敵な初恋~
その指輪に刻み込まれた模様を見て私は言葉を失った。
何故なら、彼が持っていた指輪に刻まれた模様は私が今まで身に付けていた指輪の模様そのものだったから。
「…………うそ。」
西園寺さんのネックレスについている指輪は私が持っているものとサイズが違う以外は模様や細部の形までもが完全に一致していた。
こんな偶然ってあるの?
「この指輪は俺の母親が古くからの友人である世界的に有名なデザイナーに作らせたもので、世界で2つしかないものだ。」
え?この指輪が世界に2つしかない??
確かに変な模様だとは思ってたけど、そんな貴重な物だったなんて知らなかった。
「指輪の裏を見てみろ。」
そう言われて指輪を受け取り、回しながら裏側をゆっくりと見る。
すると、一点に紋章のようなものが刻まれていた。
今まで持っていたはずなのに、この紋章に気付いたことは今までなかった。
紋章を確認すると、西園寺さんに指輪を渡す。
すると、西園寺さんは自分の持っていた指輪と私が持っていた指輪を私に見せる。