first love~世界で一番素敵な初恋~


「唯那、ごめんね………」


お母さんは涙を流しながらただ謝るだけだった。
私は何でお母さんが謝ってるのか分からなかった。


「唯那、あなたは今日から西園寺さんの所へ行きなさい。」


涙を流しながら話す、お母さんの言葉に私は耳を疑った。


「え?」


「もし、あなたが傷付くことになったとしても、あの方ならきっと、あなたを守ってくれるから。」


傷つくって?私にはお母さんの話している意味が理解出来ない。
でも、泣き続けるお母さんにその意味など聞けなかった。


「ちょっと待ってよ。
その話は私が婚約者じゃないって話になって終わったんじゃなかったの?」


と、その時玄関のチャイムが鳴り、お母さんが涙を拭ってからドアを開ける。


すると、そこには昨日帰ったと思い込んでいた黒いスーツの男二人が立っていて、お母さんは何やら挨拶をしているみたいだった。


「ねぇ、何で昨日のスーツ男がここに居るのよ。お母さん!」


私は身の危険を感じると走って階段を上がり部屋に逃げ込もうとする。


でも、すぐにスーツ男に見つかり一階へと下ろされる。



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